僕はどう生きるのか

 

長めの前置き

春は出会いと別れの季節

その言葉は僕にとって、あまりピンとこない。
なぜなら、僕は一年中出会いと別れを繰り返しているし、その結果誰に対しても別れが寂しいと感じることが少ないからである。

また、地球のどこかで会えるんだろうな〜

そう心から思っている。

2024年の1月から3月は、アフリカの南端から、世界の最果てとも呼ばれる南米の南端まで、合計9カ国を飛び回り、半分以上は日本にいなかった
もちろん、出会いと別れの繰り返しだ。

だから、職場はどこですか?と質問を受けると、いつも

職場は地球です

な~んて、イキって答えている。

僕が所属するピースボートは、3ヶ月で地球を一周する。

移動手段は船

 

タイパだの、5Gだの、スピードが重視される時代に、3ヶ月間かけて20〜27の港を訪問する。
しかも現地に滞在する日数は、30日程度だ。
つまり、7割ぐらいは洋上で生活する。

ただ現地を楽しみたい人にとっては、退屈かもしれない。
でも、2度目以上で乗船をしている乗客は、全体の約3割に及ぶ
数日で数万円の旅行ではない。
3ヶ月、200万円以上の旅だ。
そのぐらい船旅を選ぶ人は多い。

 

ちなみに地球に占める表面積のうち、7割は海と言われている。
奇遇にも、前述した船旅で海の上で過ごす日数と同じ割合になっている。
だからピースボートは

世界一周ではなく地球一周

と言っている。(らしい)

実は1人旅も好きな僕にとっても、ピースボートでの洋上生活は特別なものに感じる。
それは

人との出会いがたくさんあるから

美しい景色や建物だけでなく、人と出会い会話をすることで新しい気づきが得られるからである。
それが今でも、自分の人生の肥やしになっている

3ヶ月の旅が終われたばまた、新たな1800人との出会いがあり、旅が始まる。
ほとんどの乗客の人生にとって、貴重な3ヶ月の旅。

そして時として、乗客としてではなく、訪問する現地や自分の拠点となる日本での再会が待っている

だから、別れが寂しいではなく

次はどこで会えるんだろう。
そしてその時、お互いに何を考え何をしているのだろう。
そんないろんな情報をキャッチして、僕は何を考え行動するのだろう。

そんなわくわくの方が優っている。
だから、別れが寂しいという感覚があまりないのだと思う。
SNSを使用すればいろんな情報が入るから、なおさらそう思うのかもしれない。

さて、長めの前置きから、本題に入ろうと思う。

 

 

 

 

 

15年ぶりにかかってきた一本の電話

僕はピースボートに関わる前、医療系の仕事をしていた。
医療系の国家資格を3つ持ち、治療院で働くことが好きだった。

15年前に卒業した学生時代の同級生だった友人から、突然電話がかかってきた。
友人とは言っても、僕と彼女はキャラが全く違うため、そこまで深い話をした記憶もない。

きっと間違って電話をかけたのだろう。

と思って、恐る恐る電話に出た。

そうすると

久しぶり〜私、あなたの事なんて呼んでたっけ?

という質問から入る。
僕も

なんと呼ばれていたか覚えてない
自分
自分

と答える
だよね。。。。

そんな初対面か?と思う会話だったが、彼女からは、

友人
友人
間違い電話じゃないからね!

と念を押され、聞きたいことがある。
と前置きを受けて、僕はどんな質問が来るのか、恐る恐る待っていた。
すると

 

 

 

 

君にとって生きるって何?

 

 

 

 

と突拍子もない質問が飛んできた。

僕からの第一声は

え?なんかあったの?大丈夫?

だった。
15年ぶりの会話だったら、もっと色々聞くことあるだろう。
そう思った。

彼女は笑いながら

絶対聞かれると思ったけど、大丈夫!

と明るく答える。
その様子に、一安心した。

僕はこれまで、いろんな国や地域のいろんな人と、様々な会話をしてきた。
だから、大概の質問にはパッと答えることができる。

でも、生きるって何?というシンプルで本質的な質問に、言葉が詰まった。

2.3分だっただろうか、戸田良明36年間の人生を、走馬灯のように振り返った。

 

戸田良明のプロフィール記事はこちらから

 

その中で出てきた言葉が

 

優しくなること

 

だった。
今思うと恥ずかしくも、誇らしくもある。

 

 

 

 

 

第三者からから見える自分

 

今回その問いをしてくれた友人に、なぜその質問を僕にしたのか聞いてみたところ

人間らしく生きている

と最初に思い浮かんだから、久しぶりだけど聞いてみた。
との回答だった。

なぜか、嬉しかった。
それは

人間らしく生きる=優しくなる

でもあるのかなと思ったから。

僕は周りからのフィードバックを求める事がある。
それは、元野球少年の癖なのだろうか、あまり現状に満足しない

もっとうまくなりたい、もっと強いチームと試合をしてみたい。

という心境と同じで。

もっと良い職場にしたい、
自分には難しそうなことにチャレンジしてみたい。
提案されたことはなんでもやってみる。

そう考えたり、行動することにしている。

でもその過程にはもちろん、自分の中での葛藤がある。

自分にできるのだろうか。
期待に応えられれなかったらどうしよう。

と。
ただその不安な感情より

万が一失敗してもみんながカバーしてくれる。
そもそも無謀なことは提案してこないだろう。

そう思う気持ちが、少しだけ上回ることの方が多い

つまり、チャレンジすることに対しての安心感が根底にある。

でもその過程を知る人はほとんどいない
だから

いつも淡々と、自信を持ってやってるように見える

と言われることが多い。

でも実際は、自信持って人前で話しているように見える足元や手元は、震える時だってある
瞬間的に感情的になることもある

でもそういう自分を受け入れたり、コントロールする技術を、練習し続けている。

よく、メンタルが強いと言われるが、それは試行錯誤してるからだと思う。

今の仕事を続けることも、全くの心配がないわけではない。
この体力と忍耐勝負の仕事をいつまで出来るのだろう。
そう思う時もある。
失恋だってする。

ただ幸いにも、心配で眠れない
と言うことはない。

それは、安心を与えてくれる周りの仲間がいるからに違いない。

 

今回こういう心境を記事に書こうとも思ったのは、こういう僕の泥臭い部分を知ってもらう事も、求められているの(おもしろい)かなと感じたから。
最近、本質的な事への相談が増えた気がする。
僕自身も30代後半に入り、周りのみんなも人生の岐路に差し掛かっていたりするのだろうか。

いや。
人生はまだまだこれから。

 

 

 

 

 

 

旅と治療、目的は一緒?

 

 

前職と今は、全く違う職業をしていると思われがちだが、根底は同じと考えている。
理由は、治療も旅も、同じ効果があると思っているから。

 

治療院には病気や怪我をした人が来て、治療を通して健康にしていく。
一方で
旅でいろんな景色を見て感動したり、人と出会って新たな価値観に触れることで、人生の活力が生まれ、それが健康に繋がる。
それはつまり、より良い人生にする手段として、旅や治療をしている。

 

と僕は捉えている。
そして、どの空間や環境に身を置くかの大事さを体感する大きなきっかけが2つにはあった。

治療院で働いている時は

自分の健康寿命って70代までなんだろうな。

と、無意識に考えていた。
だって治療院には来る人の多くは、病気や怪我をしているのだから。

その人生観のまま、20代前半を生きていた。
そして世界一周の船旅に初めて出た時

僕の人生観はひっくり返された。

なぜなら、船旅に参加する大半の70,80代は、ピンピンしているから。
そりゃそうだ、

100日間の船旅に参加する決意ができる人たちの集まりだ。

 

90代の人だって元気。
そんな空間で3か月も過ごしていると

自分次第では、90代でも健康でいられる!?

そう思えるのは、不自然なことではない。

自分の中で想像する健康寿命が、20年も伸びたのだ

そりゃ、いろんなことにチャレンジしてみようと思える。

これは自分だけではない。
たくさんの参加者から、同じ感想を伺ってきた。

どっちが良いとかではなく

どのコミュニティに属しているかで、人生や考え方は大きく変わる。

そして今は、まだまだ自分の選択肢や可能性を広げる期間にしたいと考えていて、なので2年前にデンマーク留学もチャレンジしてみた。

 

戸田良明のデンマーク留学記はこちら

 

 

 

 

僕にとって、生きるとは

 

さて最後に、なぜ僕にとって生きることは優しくなること

その言葉が出てきたのかを思い返してみたい。
それは

世界を周っていろんな人と出会い、いろんな風景を見ること、そして世界中や身近に起きている問題を知ったことで、その中で何か応援やサポートをしたいと思う気持ちが、自分の原動力になっているからだと思う。

人口4000人の小さな島で生まれ育ち、野球ばっかりして何も知らず、社会人になっても飲み会や遊びばかりしていた自分には無かった感情や考え方を、今は持っていたり表現したりするようになった。

という実体験をシンプルに、優しくなったんじゃないかな
と言う言葉で表現したのだろう。

最近本当に、自分が置かれている環境や関わってくれる周りの人に、感謝の気持ちが溢れてくる。
そのぐらい、自分は恵まれていると日々感じてもいます。

ただ、自分の根底は変わっておらず、その幅が広がったと

ピースボートに関わる前の自分は
目標を達成すること、結果を残すことに拘っていました。

いつからか忘れましたが、以前の業界にいた時は

30歳までに自分の治療院をもち年収1000万円
40歳までに複数院を経営し、年収1億円へ

そんな人生のロードマップを描いていました。

今はそれより、自分と関わってくださる方の人生がより豊かになる人間になりたい
その想いが強くなりました。

その豊かさとは
地位やお金だけじゃない、心の豊かさ

そのためには、いろんな人と出会って人生の選択肢が増えること、そして将来への活力に繋がる必要があると思います。
そして相手を思いやったり、状況を想像すること中で、それが平和に繋がったらいいなって考えるようになりました。

 

11年前、今思えば大きな転機となったアメリカ一人旅をしました。
その時に、とある場所でおみくじを引きました。
そこには

 

Others are Deeply Moved by Your Presence.
他の人たちはあなたの存在に深く(心を)動かされる。

と書かれてあって、

うまくいくことも、これからの伸び代(失敗)も、いろんなことにチャレンジして、誰かの勇気に繋がる人生になったらいいな

って思っています。

先日の記事にも書きましたが、2024年はこれまで以上に世界を飛び回る1年になりそうです。

美しく、希望を感じれる地球を、少しでもお伝えできるよう頑張ります

旅をすることが平和に繋がり、平和でなければ旅ができない

そんな表裏一体の中、人生をより豊かにする旅を出し続けたいと思います。

 

そんなことを考えるきっかけとなる問いをくれた友達に、感謝の想いを込めて。