34歳でデンマーク留学を決めた理由。

2022年1月5日。
34回目の誕生日を僕は、北欧のデンマークという国で迎えた。
これから半年間この地で、留学をする。

日本人は疎か、アジア人すら見当たらないこの街に、少し緊張していた。
街中には当然日本語表記もなく、空港にあったセブンイレブンや、トヨタや日産の自動車が走っているのを見るとホッとする。

世界4周、60か国以上を旅した僕にもまだ、違う環境に対しての抵抗感があることを気づかされる。

海外で迎える誕生日は4回目で、台湾やアフリカのモザンビーク、ブラジルと、生まれ育った日本の反対側で過ごしたこともあり、何も特別ではないはず。。。

だが今回は、少し違った。
何が違うのだろう?

それは、いつも共にしていた旅仲間が近くにいない。
ということだろう。

異国でたくさんの人と出会い繋がり、もう一度自分の価値観や考え方、これからの生き方を見つめ直したい

それが僕の、コロナ禍で出した答えだった。

夢の世界一周が、実現できなくなった社会へ

2020年2月頃から、日本でも新型コロナウイルスが猛威をふるい。
4月に日本は、緊急事態宣言を発出。
人々は不安と混乱に陥り、世の中は100年に一度と言われる状況へ様変わりした。

それまで当たり前のように続けてきた世界一周の旅が突如、当たり前ではなくなったのだ。

旅するだけでなく、近くにいる人と会うことすらできない。
そんな状況を今まで、多くの人が経験したことがなかっただろう。

ピースボートが旅を通して人と繋がり、それが平和に繋がる。
その草の根運動が、得体も知れないウイルスの影響で難しくなったのだ。

それが間もなく、2年を迎える。

コロナ禍で浮き彫りになったこと

世界中を旅していた僕が、これほど足を止め、同じ場所にい続けたのはかなり久しぶりのこと。
それから、ニュースや新聞を見るようになった。

そこには、ウイルスによって混乱する医療現場。
人々が足を止めた結果起きた、経済への大打撃。
が所狭しと取り上げられていた。

そして何より、今まで以上に顕著になったのは、世界的な貧富の格差だろう。

生活に困窮した方々への食料配布には長蛇の列。
僕が住んでいた、新宿区の公園でも同様だった。

これは新たに生まれた問題なのか?

これまでは世界の歴史や問題に目を向けていたはずの自分が、危機感を持っていなかった問題が、こんなにも近くに転がっていたのだ。

他人事にはしていけないこと

そしてもう一つ、世界が向き合わなければならない課題。
それは、ジェンダーや人種によるギャップ(格差)だろう。

とある指数で僕が住む日本は、調査対象の世界約150か国中120位あたり(年によって多少の上下はあり)。
G7(いわゆる民主主義国家の先進国)の中で、ぶっちぎりの最下位だ
1つ上ののイタリアですら、60番台。

この指数は政治・経済・教育・健康の分野に分かれており。

政治に関しては140位後半を行き来している。
もう一度言おう。

約150カ国中だ。

この件に関しては、東京2020オリンピック元会長女性蔑視発言でも問題になったので、ここではこの辺で。

ただ1つ、自分に対しても言いたいことがある。

それの何が問題なのだろうか?

僕は正直、わかった気でいるだけ。
ちゃんと理解できていない。

それはきっと、僕が男性であり、日本に生まれ育って、日本社会に身を置いているからだ。

この環境に身を置いている以上、気づけないのかもしれない。
むしろ無意識に、ジェンダーや人種に対してのギャップを利用したり、そのギャップに生かされてる立場なのだと思う。

だからあの発言を、他人事にしてはいけないし、わかった気になってはいけないと思う。

ただ一つ言えるのは

僕の周りにはたくさんの仲間・友達がいて
その一人一人が、少しでも生きやすく、笑顔でいて欲しい。

その思いは、本音。

社会をより良くする。とは?

世界を旅するようになって8年、世界中にたくさんの友達が出来た。
わかりやすい言い方をしてしまうと。

有名大学を卒業してたくさんのお金を稼ぐ人から、温暖化によって住む島が沈みそうな人。
人生を謳歌している人や、今この瞬間を必死に生きている人。

こんな言葉では表せないぐらい、いろんな仲間が僕の周りにいてくれる。

周りが笑顔になってくれることが、より良い社会に繋がるのだと思う。

でも、足りてない。
いや、知らないし気づいていない。

だから僕は、もっといろんな人と繋がる必要がある。
いろんな視点から、物事を見て判断していかないといけないと思う。

これは、生きている限りずっと。

デンマークに来た理由

さてそろそろ、本題に入ろう。
なぜデンマークへの留学を決めたのか。

それはデンマークという国が
環境、福祉、民主主義・・・

あらゆる面で成熟しており、これから目指すべき社会の一つ

に見えたからだ。
もちろん、そうでは無い現実もあるだろうし、目を背けたくなる現実や問題にも直面するだろう。

ただ、これまでとは異なる環境に身を置き、自分が当たり前だと思っている価値観を、もう一度見つめ直したい。
そしてこれから、小さくとも社会を、より良い方向に導くきっかけにしたい。
そう思ったのだ。

これから通う学校は、世界20〜30の国と地域から老若男女(17歳以上)が集まり、半年間寮で共同生活をし、あらゆるジャンルで学んでいきます。
授業はディスカッション中心で、異文化を理解していくことを目的としています。

もちろん半年では足りるわけではないし、これからも変化し続ける社会で、学び続けなければならない。

今回出来るであろう世界中の仲間と、これまで同様に繋がり、対話を繰り返すことが、この社会では必要である。
人生100年だと思えば、まだ三分の一しか生きていない。

自分自身も、社会も・・・
まだ遅くないまだ間に合う

あくまでもそのきっかけに。
という思いから、決断し、了承を頂き、今に至ります。

そして、お願い

僕にはまだまだ知らない社会や価値観があり、当然一生かかっても知れないと思う。

だが、せっかく得た半年間。
有意義な時間にしたいと考えています。

これを見てくださった方の知識や、想いを頂戴したい。
なかなか海外に行けない、人と繋がりにくくなった昨今だが。せっかくヨーロッパ、北欧、デンマークにいるなら。

・知るべき問題
・見るべき景色や世界遺産
・触れるべき文化や政策
・出会うべき人

国と地域をまたぐのはもちろん、硬派なものからワクワクするものまでなんでも。
あなたまだ行ったことない場所でも構いません。

 

戸田よ、これは見て来て欲しい、見て来い。
まずはなんでも、投げかけていただけないでしょうか?

ただ時間や金銭的に限られているため、必ず実行するとのお約束は出来ません。

ご協力いただける方は、このブログやSNSに、メッセージをお願いします。

平和に繋がる旅を、これからも

僕は普段から、この言葉を大切にして旅を続けてきました。
世界中を旅して、

また見たい景色
再会したい友達

そういうのを増やすことが、平和に繋がると信じています。

そして僕自身は、人生がより豊かになったなと感じます。
お金ではない、心の豊かさへ。

きっと間もなく、また世界への旅が身近になる時が来ます。
そして多くの方が、今か今かと旅を待ってくれています。

その時に少しでも、より良い旅へと導けるよう、有意義な半年にしたいと思います。

このわがままをご理解いただいた職場環境と、34年前に命を授けてくれた両親への感謝を持って。

デンマークより。
戸田良明